それから私は夜になると屋上にいた。彼に会えるんじゃないかという期待を込めていつもフェンスの向こうで1人座っていた。
「また死のうとしてるの?」
夜空に響くテノールの声は優しい彼の声。
「あなたに会いたくて。」
困ったように、でも喜びの混じった表情で彼は笑った。いつもと変わらない彼の笑顔はとても綺麗で、儚くて、とても愛おしい。
「また、あの公園に行く?」