その日は、やけに目覚めが悪かった。

折角の休みだから、と遅くまで寝ようと思っていたのに、6時には目が覚めてしまった。

二度寝をしようにも寝つけなくて、しぶしぶ布団から這い出て、目覚まし時計を止める。

…たまには出かけるのも悪くないかもしれない。

ふとそんな考えが頭をよぎり、カーテンを開けた。

窓の外は厚い雲が覆われていて、ただただ気分を下げる。

なんとなくスマホを開くと、LINEがきていることに気づいた。

それは中学からの同級生、橋本 愛美(はしもと まなみ)からだった。

彼女は中学のときからの親友で、同じ剣道部。

高校こそ分かれたものの、今も定期的に連絡している。

『ねー、美羽(みう)今日暇((°A°;))?』

謎の顔文字と共に送られたメッセージ。

『うん、暇だよ』

そう返すと、すぐに既読がついた。

『じゃあ、今日どっか行かない?』

『あ、私も今日出かけようと思ってた』

『なんか用事ある感じなん?』

『んーん、なんか一人でぶらぶらしようか
なってw』

『私もそう思ったんだけど、一人じゃつま
んないなーって(´・_・`)』

たしかに。

一人で街をぶらつくのもあまり楽しくない。

『いーよ、行こ^^*』

『うん!了解!!

じゃ、9時集合でいー?』

『分かったd('∀'*)』

スマホを置いて、クローゼットを開ける。

愛美と出かけるのは半年ぶりだろうか。

高校生になってから会う回数が減って、お祭りの時ぐらいしか会わなくなっていた。

おまけに愛美は他県へ進学し、一人暮らしをしている。

今週は