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中3
ミーン…ミーンミンミンミン…
「あぢぃ〜!!」
季節は夏。
蝉の鳴く頃
ただ今私達は絶賛体育祭の練習中
「うぃ〜!」
「ほらそこ!ちゃんと揃えるぞ〜!」
「もう1回!」
体育祭前の熱気はとてつもなく、どのダンも気合が入っている
私たちの学校は4団体制で、それぞれ赤団、青団、黄色団、緑団に別れている
この体育祭の団ばかりは杏奈とは違い、私は緑団、杏奈は黄色団だ。
ちなみに言えば颯也は赤
「お〜いゆう!水筒持ってきたよ!」
私の事をゆうと呼ぶのはこの学校で1人だろう
杏奈ではない、あゆみだ。
あゆみは転校してきた頃積極的に話し掛けてくれたから、それで仲良くなった
私の主に恋愛の相談相手で、相談に乗って乗られての関係だ
そんなあゆみも今、片想い中なのだが…
話せば長くなるから、手短にいきま〜す
バレンタイン渡した⇒だが告白できず⇒鈍い相手は気付かず⇒現状維持
はい!伝わった?伝わったね!
「ありがと〜う」
「暑いねぇ…干からびそう」
「暑い。ほんとに干からびそう」
「そ言えば杏奈ちゃんと福田はどんな感じなの?」
「ん〜?普通にいい感じだと思うよ?」
「私はそうは思わないなぁ」
え?どういう事?
この前も普通に廊下で挨拶してたし
別に問題は無いと思うんだけど…
「どゆこと?何か見た?」
「い〜や、まぁ、気にしないで」
あゆみはいつもはっきり物を言うからこんなに言わないってことは何かあるのではないかと思ってしまう
「緑団〜!練習再開するぞ〜!休憩終わり〜!」
「あぁもう!終わるのはや!」
「仕方ないね」
「ゆう、早く行こ」
「だね」
はぁ、これでダンス踊るの何回目〜?
本当に本当に死んじゃう
…っ!?
目が…合った…?颯也と、今?
「気のせいかな」
颯也がこっちを見ていた気がした
杏奈は今私の後ろにはいないはず。
ここはグラウンド。杏奈は体育館にいるから
やっぱり気のせいかな?
なんてわたしはのんきに思っていた
あゆみの考えてることなんて気にもせず…
それが当たるだなんて思わずに…
