「俺は桜河 波留(さくらが はる)。高校二年生。傘差しましょう?」

はい?


突然耳に入ってきた声と頭上に現れた傘に足が止まった。

「だ、誰ですか?」
振り替えると頭ひとつぶん上にたった今、波留と名乗った少年の顔があった。
「誰だとは酷いなぁ。同じクラスでしょ?」
えっと,,,多分同じクラスならあの人かな?

,,,人気者の波留さん。
私なんかみたいな暗くてなよなよしてるのとは月とすっぽんというのが最もな人。

「,,,波留さんが、私なんかに何の用ですか?」
そんな人とは関わらないのが一番だ。
どうせよくないことしか起こらないんから。

「用もなにも。女子が雨の中濡れてたら傘をさすのは男子の役目でしょ?」


なんなんだこの人。

「私は帰るのでそ、それじゃぁ!」