ついさっき何の気なしに抱き締めてしまった…。


あれもダメだ…。


理緒はどうなの。


どきどきしないの?


なんでそんなにクールなの?


ブンブン…


僕は首を横に振る。


そんなこと考えないっ


「せ、先輩?何やってるの?犬みたいだよ。」


えっ


「あ。なんでもないよ。」


「変な先輩…。」


もぅだめかも…。


理緒を助ける前に僕が溺れてしまうかも…。


理緒が愛しいよ…


「先輩?さっきから大丈夫?。」


「理緒…。僕…。」


冷静な僕と、やばい僕がココロを行ったり来たりしてる。


どうしちゃったら楽になる。


楽になっちゃって、どうなる…。


理緒はどうなの?


僕は顔を上げて理緒の目を見つめた。


「せんぱ…い?」


理緒が見つめて応えてくれる。


神様ごめんなさいっ。


僕、抱き締めますっ。


「ぅ、ひゃぁぁ。」


突然抱き付いた僕に理緒は驚いて声にならない声を出してた。


そのまま理緒が僕の頬を触ってくれて、


僕は、ホッとした。


「先輩?もしかして、今どきどきしてるの?」