「だ、い丈夫だ!」

犬神くんは私から目線を逸らし、触れようとした手を振り払った

ズキンと痛む胸を、必死に押し殺し

「人が心配してるのに、どうして、そうゆう言い方しか出来ないわけ⁈」

犬神くんの顔色が変わって行くのに気付いた。

止めなきゃ行けないのに、止まらない

「大体、犬神くんは、いつもいつも冷たすぎるのよ!この万年冷血漢男!」

『違う、こんな事を言いたいんじゃない!黙れ、私の口』

最大の嫌味を犬神くんにぶつけた。

犬神くんは、悲しそうな顔をして、私から再び目線を逸らした

「そうだよなぁ」

いつもと違う答えが返って来てビックリしてしまった。

いつもなら、「はあ?」とか「うるせぇ。黙れ」とか返って来るはずなのに

静まり返る空気の中に吉崎さんが間に入ってくれた。