「行ってきまーす」

そう言って勢い良くドアを開いた

ガチャ

ガチャ

隣から扉の開く音がして、恐る恐る隣を見ると、犬神くんが居た

「げっ」

犬神くんはあからさまに嫌そうな顔をして目を逸らした

私も負けじと

「げっ、って何よ‼︎」

と言い返すと、

「別に」

と素っ気ない返事が返って来た

家を出て、自転車で駅まで走り抜ける

すると、犬神くんから声を掛けてきた

「ついてくんなよ、ブス」

朝から嫌味を言ってくる犬神くんに負けじと言い返す

「駅が一緒なんだから仕方ないでしょ‼︎」

毎朝、毎朝、口喧嘩をしながら駅に向かうのが私達の日課になりつつあった