それから10分ぐらいして、吉崎さんが厨房からやってきた

「何、何?楽しそうな話してるね〜」

と声をかけて来た

その声に振り返ると、吉崎さんの手には『カフェ チェリー』の名物、チェリーパイが乗っていた

美波さんはそれを見て、小さく声を上げた

「あっ‼︎」

美波さんが嬉しそうに駆け寄る

「二人とも、賄いだよ。お疲れ様。皆んなで食べよ」

吉崎さんは爽やかにウインクをした