とてもとても長い人の列が、
とどまることなく
つづいていく。

巡礼の人々は
歩き続ける
遥かな遠い道を、


王冠を棄てた王がいた
戦場をなくした戦士がいた
幼児をなくしたマリーは、
父母をなくした少女の手を
ひいていた。


まるで疲れることを
知らないように、
彼等は歩き続ける。

地の果てからやってきた
彼等は、
彼方へと帰っていく。

巡礼の人々は
歩き続ける。


ほんとうの目的地はどこ?
少年がきいていた。

老人はただ
空を見上げていた。


老人の脚は
半分腐っていた。


少年は
空を見上げた。






碧く澄んだ空の
片隅に
一番星が
マタタイていた。