鍵が開いた。
『始めに
私はもう何年も前から、
自分の病気のことを知っていた。
だけど、
貴女には伝えなかったの。
伝えられなかった。
きっと、最後まで言えないから、
これを残します』
これは、母の字だ。
間違いない、繋がっていて、
丸みを帯びたも字。