西側には、
あまり患者さんがいない。
日が入らないからとか、
もう何十年も使われていないらしい。
「よいしょっと」
僕はしゃがみこみ、
シャーペンを拾った。
「こんにちは」
しゃがみこんでいる僕の、
すぐよこのドアが、
いつの間にか開いていた。