「はい、とても元気な男の子ですよ。」と私は看護士から赤ちゃんを手渡しされた。

私しか親はいない。旦那はもう既にあの世へと逝ってしまった。それにしても、この子を育てるには私には荷が重すぎる。だってこの子はー
「○○」が無い
私の息子が育っていくにつれ、その荷の重さが増えていった。

「ねぇ、ママ。どうしてママはいつも幼稚園にずっと一緒にいるの?」息子は不思議そうに首を傾げた。「それはね、そうちゃんをずっと大切にしているからよ。そうちゃんの為を思って一緒にいるのよ。そうちゃんはイヤ?」「ううん、そうだったんだね。ママ大好き!!」
そう言った息子が私を包み込む仕草を試みたが、彼にはできない。だから代わりに私が抱きしめるのだ。大好き。こんな体にならせてしまってごめんねと。