Kyou-Side2

保健女医 霖 理香 に身体の傷の事情を話し、 保健室を後にした京。
 時刻は始業の鐘を鳴り終え、 一限はもう始まっている時間だった。

 「というわけで、 今更教室に戻って授業を受けると目立って仕方がないから使われていない教室で時間を潰すのであったァ……」

 例のごとく独り言をつぶやく京。
 京のいる教室は、 机やいすの物置のようになっている教室だ。
 遠くの方で授業をする教師の声がする。
 それ以外は何も聞こえない静かな教室。
 まるで京だけが取り残された世界のようだ。

 「まァ……ひさしく昔の話をしたからなァ」

 ──すこし、 つかれた。