じろじいちゃんは、ぼくの母さんの父さんだ。

じいちゃんちとぼくんちは、ちょうど「スープが冷めない距離」だと、母さんは言う。

自転車で15分。
同居のストレスとやらをためることもなく、何かあったらすぐに駆けつけられる、そんな理想的な距離だと、母さんは満足そうに言うんだ。


そんな距離だから、ぼくは学校が終わって、友達と遊ぶ約束がないときは、たいがいじいちゃんちへ行って、母さんが仕事から帰るのを待っている。

テレビを見たり、学校で借りた本を読んだり、ばあちゃんの作ったホットケーキを食べたり…
ここにはゲームもマンガもないけど、じいちゃんばあちゃんは、母さんと違って「宿題はやったの‼?」何て言ったりしないから、じいちゃんちで過ごすのは、ぼくにとって癒しの一時だったりするんだ。