佐藤に借りた本はもう最後の方まで来ていた。

本当になかなかおもしろい本だ。


読み入っていると、華が風呂から上がって来た。


「あ。また読んでる」

華は拗ねた顔で俺を見た。


ごめんごめん、と言って本を閉じた時、

本から紙が一枚ひらりと落ちた。


なんだ?

俺がその紙を拾う寸前で、華が先に拾った。


華はそれを広げて見ている。

「なんの紙?」


「、、先生は見なくていいやつ。」

そう言って華はその紙を食器棚の引き出しにしまった。