「先生みたいなお兄ちゃんが居たらあたし誰とも結婚しない」


華はこっちを見て嬉しそうに言う。

俺は華の可愛さと、お兄ちゃんと呼ばれる違和感に心を支配されて華を見つめることしか出来なかった。


「、、、お兄ちゃんは毎日ご飯一緒に食べても、一緒に寝たりしないと思うぞ」


華は目を丸くしてすぐ、残念そうな顔であっそ、と言いぷいっと向こうを向いてしまった。


「、、でも、頭は撫でてくれる?」

そっぽを向いたままそう聞いてくる華の背中は小さくて、そのまま後ろから抱きしめてしまいたいほど、

とても愛おしかった。


華の頭にぽん、と手を乗せて俺は確信した。


見ないように蓋をしていた気持ちが突然溢れてくる。




俺は華のことが好きだ。