「可愛いよ、浴衣。世界一可愛い。
ほんとは花火の時言いたかった」


「、、言ってよ。次は守ってね」

うん、と言って俺は華をおぶった。

次は華を守る。絶対。


帰り道、華は俺におぶられながら、島田のことをしつこく聞いてきた。

華曰く、島田は自分より年齢が上で、ちっちゃくて可愛いから勝てないと思ったらしい。

華もちっちゃくて可愛いよと言ったら、
先生からしたらだいたいの人がちっちゃくて可愛いでしょ、と耳を引っ張られた。


華の家についておばあさんに帰りが遅くなったことを謝ると、
渉くんが一緒だと思ってた、ありがとうねと言われた。


今日は華に何回も何回も可愛いと言った。



まだ好きと伝えたわけではないのに、

それだけで少し心が軽くなった。