華が隣にいると、いつも俺が先に起きる。

今日もそうだった。


目を覚ますと華は俺の左側で猫のように小さく丸まって寝ていた。

華な布団をかけ直して、隣でしばらく華の寝顔を見つめた。


華の頬に触ると、高級な陶器のようになめらかだった。


隣で寝息を小さく立てる華が愛おしくて、このまま帰らずふたりでどこか遠いところへ連れ去ってしまいたかった。



俺の右手の親指が華の唇に触れたとき、華はパッと目を覚ました。

「びっくりした。急に起きるなよ」

「、、変な夢みた」

華はそう言って俺の胸元にきゅっと寄ってきた。

いま抱きしめたら華を潰してしまいそうだ。

「おはよ」


華は愛らしい顔をこっちに向けて、おはよ、と幸せそうに呟いた。


「もっかい温泉入るか、朝ご飯か、どっちがいい?」

「、、もうちょっとこのままがいい」

華はそう言うと自分で俺の手を頭に持って行って、もう一度目を閉じた。


俺は華のして欲しいことを察知して、

優しく華の頭を撫でた。