「あのー魔女ちゃん。」

あ、忘れてた。この男の事。

その声に振り返る私。

嘘!?なんでこの男が!?


後ろには私の通う高校、桜羽高校の桜御三家の1人、結城紘が立っていたのだ。

ストレートでさらっさらの黒髪はセンター分け。

きめ細かく、真っ白なニキビ一つない肌に切れ長の目。

身長は180ぐらいだろうか。

身長が155しかない私にとっては首が痛くなりそうだ。


え、でも無口な完璧王子じゃなかったっけ?

さっきの様子から行くとただのバカじゃんか。

「あの、君俺と同じ学校の魔女ちゃんだよね?」

仕方なくコクンとうなずく。

「助けてくれてありがとう。」

私はフルフルと首を横に振る。

「俺の事知ってる?あの頼みたいことがあるんだけど。」

何考えてるの?

その疑問を晴らすため、黒髪をずらして右目を出し、結城の目を見る。

『どーしよ。僕がバカだってばれちゃった?
これは、秘密にしてというべきか?
それにしても、魔女ちゃん強くてかっこよかったな。
いいなー。俺もあんな風にカッコよく倒してみたいなー。
てか、魔女ちゃんなんでそんなに強いのかな。
やっぱり魔女の力?それだったら俺にも強くなれる魔法かけてほしいな、なんて。』