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魔女こと石原リリが屋上から出ていった。

「な、ホントにエスパーだったでしょ?」

嬉しそうにしている紘。

「あ、あぁ。怖いぐらい読まれてた。」

「俺もだ。誰にも言ってなかった秘密をサラッと言って帰っちゃった。」

紘はルンルン、二人は茫然としている。

まだ現実を受け入れられていないようだ。

「なぁ、それもだけど、あいつキレイすぎじゃね?
初めて顔見たけど、学校で断トツ1番の美少女だろ。」

少し顔を赤らめながら話す遼。

「リリちゃんかわいかったねー!
俺、エスパーのことももっと聞きたいけど、リリちゃんのことはもーっと知りたくなっちゃった。
ほかの女の子とはかけ離れすぎてて、面白い!」

本当に正直すぎる紘。

「美少女って言葉がぴったりだったね。
ギャップありすぎて驚いたよ。」

口元を右手で覆い、顔の赤みを隠す晴翔。



そう、桜御三家、学校トップのイケメンたちが認めるほどリリは美少女だったのだ。

いつも隠された顔は小さく、肌は透明感があり真っ白。

目はパッチリ二重で、小さな鼻はシュッとしていて、桃色の唇は乾燥知らず。

”魔女”ではなく”天使”のほうが断然ピッタリくる顔立ちだったのだ。


それに全く気付かないリリ。

ずっと顔を隠して生きてきたからだろう。


だから3人は考えた。

どうやったらリリが普通に過ごせるかを。

どうやったらリリと仲良くなれるかを。