「ちょっと待って。
まだ興味深い疑問が”1つ”残ってるんだよね。
リリちゃん、わかるよね?」

そう尋ねてきたのは藤崎晴翔。

コノヤロー結城紘め。

隣のそいつを睨みつける。

前髪で見えていないが。

案の定気づいていないのか、こっちを向いてルンルンしてる。

それで「エスパーの事だよ!」なんて満面の笑みでいってきやがった。

イライラが…。

「紘、嘘つけない奴だから。
全部俺たちの耳に入ってるの。
だから、お互い秘密を共有して、お互いの口止めにしようと思ってね。
教えてくれるよね?」

今度は黒い笑みですか。

まーそれでかかわりが無くなるのなら、そうした方が手っ取り早いよね。


「分かりました。」


そう判断した私はフードと黒マスクを取り前髪を全部左耳にかけた。

顔は下を向いたまま。

上を向いてしまうとすべて聞こえてしまうから。

片目なら目を合わせないと聞こえないけど。

「じゃ、3人とも何か考えてください。
好きな食べ物でも、漫画でも、何でもいいので。5,4,3,2,1いきますよ。」

私は顔を上げた。

「結城紘、俺もエスパーになりたいなー。あ、好きな食べ物か甘いもの全部かなー。でもカレーも好きだしなー。以後省略。

朝比奈遼、僕お菓子だーい好き!でも、ほんとは俺飴以外の甘い物は苦手なんだよねー。辛い食べ物のほうがうまいし。以上。

藤崎晴翔、好きな食べ物はカルボナーラ。好きな漫画かー、ないな。
あ、でも意外と少女漫画って面白いよね。以上。」

言い終わるとすぐ元の格好に戻す。

3人とも驚いて固まっている。

が、結城紘はすぐ「すごいすごい!」とうるさく騒ぎ始めた。