ありきたりな 、語彙力の無い言葉しか出てこない自分の口が今日は何か憎たらしく思えた 。
「 ノート 、貸してもらったからさ 、何か 、お返ししたいんだけど 、 」
まて 。わざわざノートを返すためだけに私を待ってくれていたのに 、さらにお返しだなんて 、そんな図々しいこと私にはできない 、そんな勇気は残念ながら持ち合わせていない 。
「 何もしなくていいよ 、待ってもらったんだし .. 」
演技っぽいとよく言われるこの口調で丁寧にお断りしたつもりだったが 、彼には全然響かなかった様だった 、その証拠に彼は今考える素振りをして 、まるで頭の上に電球が灯ったようにパッと明るい顔をして私に声をかけた 。
「 なら俺がお返しを考える 、これでいいでしょ? 」
全く何を考えてるんだこの転入生 。お返しはいらないとこの 、口で言ったというのに 、聞く耳を持っていないのか ..?

