人混みをなんとか掻き分けながら
6番君と並んで歩いていると
すっと彼が
手をつないできた。

ぎゅっと握りしめられて
わたしもぎゅっと握り返す。

お互い
ただ前を向きながら
歩いている。

だけど

繋がれた手は
しっかりと握られていた。


―――今年の夏は、熱くなりそう―――