あたしは目にしたモノのショックで、猫にビールをひっかけそうになった。



ヤダ。

何これ、笑えない。

さっきまでの軽々しさはどこへやら、今やこの手紙はあたしにとって重大な意味を持つ存在に変わっていた。


たった三文字のサインによって。



¨ハルキ¨



手紙の裏には、小さく、でもはっきりとそう書かれていた。



嘘でしょう。




もう、あたしは手紙から目が離せなくなっていた。

このちっぽけな紙切れが、今のあたしには全てだった。


ニャーーン



「ハルキ……」



あたしがこの名を呼ぶのは何年ぶりだろう。


もうずっと、封印してきた言葉。


それなのにどうして?


こんなにも、愛しさは色褪せずに生きている。

また、この名を呼べる日が、来るんだね。


会いたかったよ、





ハルキ