「好きですッ」

いきなり告白シーンからで申し訳ないんですが。

目の前に立っているのは、大学内でも有名なモテ男、夏川くん。
身長180cm、山P似のジャニーズ系で、誰からも評判がいい。

んで、あたしはその夏川くんに告られている。

自慢かッ!て?

アンビリーバブル!!

あたし自身、信ジラレナーイ!!

普通なら、こんなオイシイ話、誰が断わるものか。

ところが、だ。

そんな彼に「好きですッ」なんて言ってもらってるわりには、どこか冷めてる自分がいた。

夏川くんはかっこいい。
おまけにすごくいい人だって分かってる。
それなのに、あたしの心はちっとも揺らがない。

それにはとってもDeepなワケがあるんだけど、ま、とりあえずここは―――

あたしは大きく息を吸い込んで、

「ごめんなさいッ」

半ば叫ぶように言い、深々と頭を下げた。

あたしだってそんなにモテるわけじゃないから、こんなイケメンくんを断わるにはかなりの勇気がいる。

きっと、今まで断わられたことなんてないんだろうなぁ。