「どんなに苦しくても、辛くても、我がままだと言われようと、諦めたりしない。例え別れることになろうとも、私は最後まで遼と一緒にいられる方法を探し続ける。遼の隣は誰にも譲りたくないから」
美紀にも彼は渡さない。私のその思いがちゃんと伝わっていることは、彼女の強張った表情を見ればすぐに分かった。
「……もうやめよう。私、帰るね」
これ以上話し続けても、お互いイライラするだけなのだから、さらに会話がこじれてしまう前に距離を置いた方が賢明だろう。
美紀はふて腐れた顔のまま、こくりと頷き返してきた。
「美紀も、気をつけて帰ってね」
別れの言葉を口すれば、すぐにでもここを立ち去りたくなってくる。
伝票を手に取り美紀に背を向け、私は足早に歩き出す。
レジで支払いをしている客の後ろに並びながら、バッグの中に入れておいたスマホを手に取った。
遼からメッセージは届いてないだろうかと確認したけれど、淡い期待はあっさりと崩れ落ちていく。彼から何の連絡もきていない。
しかし、小さなため息をこぼしながらバッグに戻そうとしたその瞬間、スマホが音を奏でた。
ハッと視線を落とし、そのまま動きを止める。
沈みかけていた心が嬉しさで一気に震え出す。



