独占欲全開で、御曹司に略奪溺愛されてます



「君のお父さんが私を嫌っているように、私も……あいつを憎んでいる」


厳しい表情を見せられ、身体が強張っていく。


「なぜあいつはもっと八重ちゃんに心を寄せてあげなかったのかと、そうすればもしかしたら八重ちゃんはもっと長く……」


遼のお父さんはそれ以上言葉を続けることをせず、気まずそうに私から視線を外した。

もっと長く生きていたかもしれない。きっとそう言おうとしていたのだろう。

父の再婚は母が亡くなり一年後の話だ。

再婚は幼い私のためでもあると言われたけれど、まだ心が前に進めていなかった私は、その現実を受け止めることもしばらくの間できなかったのだ。

そんな時、私はよく思っていた。父は本当に母を愛していたのかと。


「申し訳ないが、私は君の父親との間にある溝を埋められそうにもない。互いの両親がこんな状態なのだから、君はこれからずっと板挟みにあい、嫌な思いをし続けることになるだろう」


重苦しい空気の中、私は黙って遼のお父さんを見つめ続ける。

様々な思いが込み上げてくるけれど、どれも言葉にはならなかった。


「それだけじゃない。過去に色々あってね、倉渕物産には西沖グループのことをよく思っていない社員も多くいる。遼と君が結婚することになっても、君が西沖の娘である限り、皆から祝福してもらえないかもしれないということを、前もって覚悟しておいた方が良い」