「いってきま〜す……」

なんか……今日、きついな。

いつもと同じ道を歩いていた。

しっかりと足を踏んだ……はず、だった。

私はその場に座り込んでしまった。

あ……また……。

そのとき、さっきすれ違った、ランニングをして

いた人が戻ってきて、手を差し伸べてくれた。

「大丈夫か?」

「あ…、大丈夫です。」

「顔、真っ青だけど?」

「ほんとに大丈夫です」

そう言って立とうとしたけど……

ふらついて倒れそうになったのをその男性が

支えてくれた。

……う、わ…やっちゃったな……。

「すみません。」

「いいから、そこのベンチまで歩ける?」

「大丈夫です」

「じゃあ、歩こう」

男性は私をベンチまで連れてきてくれた。

このご時世にそこまでしてくれる人おったんやな。

「あんた、今日なにか用事あったん?」

「あ、学校が……」

「学校?大学か?」

「あ、専門学校で……」

「専門ね。専門ってなに勉強すんの?やっぱ国語
とかもやってんの?」