ノラと呼ばれた男【壱】










あの後の事は、正直覚えておらず、







ただ、1つ。鮮明に覚えているのは、




泣き崩れる父の後ろ姿。


仕事も行かず、ご飯も食べず、睡眠も取らない父は朝、昼、晩。泣いていた






「…………………………パパ、」



震える声で、父を呼んでも……いつも振り向かない父がこの日は反応し、



俺を見た。











「………………なんで、お前が生きてるんだ……なんで、お前なんか守ってアイツが死ななきゃならなかった……








――――――――――――……お前が死ねば良かったのに」










あの日、そう言った父の言葉が……




家族として、最後の言葉だった――――――――――――――……