ノラと呼ばれた男【壱】



















「あぁ、失礼




挨拶程度に‘’このくらい‘’は許してくださいね



一応、我々も報酬貰ってるので手ぶらで帰るわけにも行きませんし、」








と、顔色1つ変えずに藍を見下ろし、




口角を上げて笑む。





「報酬があれば、誰の味方にもなりますし敵にもなります」



そう言って一歩、藍に近付こうとしたから





咄嗟に藍を庇うようにして抱き締め、男を睨む


その時、藍が「逃げて」と言った言葉を無視して、








ぎゅっと、藍の身体を引き寄せた










「…………そんなに警戒しないで、




今日はただの挨拶です。……また会いましょうね」







にっこりと、親友に向けるような笑みを男は私に見せ、



その後、


「さ、引き上げますよ」








何事も無かったかの様に、その場を去って行った――――――――――――……