ノラと呼ばれた男【壱】






何事かと、一瞬、藍が身構えるが、




杞憂に終わり、バイクに乗ってた輩が降り、一定の距離を取る。









多分、さっきのは合図




―――――――――……まだ手を出すな





という意味なのだろう











「で、俺に何か用」




いつもの甘えた声ではなく、冷めた藍の声



藍らしくない、と思うのはまだ藍を私が知らないからなのか、


それとも…………………………、





「そう急かさないでくださいよ



先程、言ったと思いますが我々はセルピエンテ」





「…で、そのセルピエンテが何の用」





「ふふふ、せっかちですね





まぁ嫌いじゃないですよ、貴方のそういうところ」









ふっ、と目を細めて意味深に笑う男



正直、得体が知れない野郎だ








「……俺を口説く為に回りくどい誘導したんなら、帰っていいかな」



「ふふふ、それは困りますね




こちらも‘’依頼‘’で動いてますから」