ノラと呼ばれた男【壱】

こてん。と首を傾げる藍は、先程と異なり。いつもの可愛い藍で、





「藍は藍のままが、よく似合うよ」




特に意味もなく呟けば、藍はただでさえ大きな目を更に大きくし、


キョトン。と言った顔をする





「え、……何……口説かれてる?」



「ふふ、好きに取っていいけど、



ただね、普段の藍。私好きだよ

明るい声で、明るい笑顔で。

見てて元気貰えるなぁって、私思うな」








さっきの藍が、どう。とかではなく。


ただ、私が知るのは学校での藍だから、








「…………不意打ち……やめてよ、姫」





ポツリと呟く、藍。


声が微かに掠れ、震える藍の声。





ふっ。と視線を上げれば、困ったように苦笑する藍。






「俺ね、卑怯なんだ」


「ん?」


「それでね、欲張りなんだぁ」






と、そこまで言って口を閉ざし、


藍は私から視線を逸らして……………、







「変化が嫌いなんだ」