ノラと呼ばれた男【壱】








気付けば、例の‘’カフェ‘’に着いていた。



便利な事に、店の前にバイクを数台止めれる作りになっていて、一番端に藍がバイクを止めた。








「大丈夫だった?酔わなかった?」



「ん。大丈夫、楽しかった」





久々のバイクだったし。

酔う、と言うより…どっちかと言えば、もう少し飛ばして欲しかった。






なんて本人には言わないけど、



「なら良かった♪



……入ろっか、恋人として。だけど」





「え?」





「えへへっ、言ったじゃん恋人半額」









え、マジか……恋人役やるんか。


ってか誰かと付き合った事ないんすけど







「い、……行こっか…………だ、……ダーリン……、」




で、いいのか?フリって事は、それっぽく振る舞うって事だし………………、





「ぶふっっっ!だっ、……ダーリンって……………………、




ふ、……普通でいいよ…………あははっ!」







爆笑しやがった。人がせっかく、‘’それっぽさ‘’を演出したのに酷くない!?ねぇっ!?




「う、……うるさいなぁ、



ほら、さっさと入るよ、もうっ」