ノラと呼ばれた男【壱】



「いいのかな、私」



「ん?」



「ほら、……皆の大事な場所でしょ?」










私が、入っていいの?

そう聞いてしまったのは、自分が「その場所」の大切さを知っているからで、




皆の力になれない自分が出入りするのは、正直気が引ける


それでも、電話越しの藍は「おいで」と言ってくれたわけで………………








「あ?何言ってんだ一華」



「?」



「大切な場所だからお前にも来てほしいんだろ」








と、然も当たり前みたいな顔して言うから


私は無意識に下げていた視線を上げた






「それって……………………」



それって、つまり…………えっと……何だ??←ぇ




「俺は、……俺達はとっくに仲間だと思ってんだけど違ったか」



「………………」



「一華」



いつもより優しい声、温かい視線。

だからかな、胸の奥がキュッと痛くなる










もし、本当の私を知ったら…………





皆は、…………迅は、「仲間」って言ってくれますか―――――――――――











「……ありがと、迅」



いつも側に居てくれて。
何も聞かずにいてくれて。
仲間だと言ってくれて。

本当に、有り難う。私ね、皆が思ってる以上に皆が大好きだよ




「おう」


顔を逸らして歩き出す迅に、一瞬、追いかけるのを躊躇ったものの、

必ず迅が振り返ってくれるから、







私は迷う事を止め。小走りで近付き、迅の横へと肩を並べた。


その際、少しだけ迅の口角が上がった事など知らずに―――――――――――――――――――……