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【迅side】
俺には追い付きたくても、追い付けない奴がいる。黒髪に赤のメッシュの男
どん底にいた俺をぶん殴って、目を覚まさせてくれた恩人
もう、昔の事で顔はうる覚えだが、
2つだけ覚えている事がある。
それは右腕の刺青で、4匹の竜が絡まるように彫られている事と、黄金色の瞳
ただ、それだけを頼りに探している
またもう一度会って、礼が言いたい
‘’強さは力だけじゃねぇ、心も強さに含まれんだよ‘’
あの時、言われた言葉で俺は救われた。
誰でもない………………ノラに
突然現れ、ふらふらと消えるアイツの幻影。それでも手を伸ばさずにはいられなくて………………、
懲りずに何度も手を伸ばす。
「あ、…………迅起きた?」
と。伸ばし掛けた手は、いつもの様に何も掴めずに終る筈だった。
そう、ただの幻影で夢で、
「大丈夫?まだ寝ぼけてる?」
いつも、目覚めの後は虚しくなるから、
「ねえ、聞いてる?」
「……嗚呼」
思わず握り返してくれた姫川一華の、細くて白い手を凝視した。
その視線に気付いたのか、一華が笑う
「なんか手、伸ばして来たから」
「…………」
「まだ眠い?」
と、黙り込んだ俺はイコール眠い。と勘違いされた様で再度笑う一華
「いや、大丈夫だ。他の奴等は?」
「あー……、なんか先に行ったよ?
‘’いつもの場所で待ってる‘’って」


