ノラと呼ばれた男【壱】

と、小さく呟く赤鬼に対し青鬼は小さく舌打ちし「分かった」と頷いた。



「貴方たちが守ってる子を拉致、なんてタダで済むとは思っていませんし、

闘いませんか、タイマンで。貴方が勝てば彼女を返します」



「嗚呼……分かった」


相変わらずの無表情で、迅が了承する中

一人だけ顎に手を当て、考える素振りを見せたが、それは数秒で掻き消え、

「備品等、壊さないでね迅」

いつもらしい、母親口調へと戻った






そして、そんなやり取りが終わり、






「……武器、いります?」



「いや、必要ない」



「そうですか、」






じゃあ、ちょっと本気だそうかな。

なんて、赤鬼が呟いたと同時に喧嘩が始まった――――――――――――――