ノラと呼ばれた男【壱】

【姫川side】



「てな訳で、爛派に行った奴等が勝手に乱鬼の名前使って暴れてたりしてるって状況」


「貴女に手を出そうとした彼らも、今は爛派なんです」











お陰で、「乱鬼が覇王と敵対してる」って言うのが現状で、と青鬼が言葉を切り、


すまなかった、と頭を下げた

それは青鬼だけではなく赤鬼も同様で、







「……あのさ、…………なんで私に?」



「誠意を見せただけ、ですよ」

嘘だ、と思った。此処に来た時から感じた違和感。だって、それなら、



私に言うより‘’皆‘’に言った方がいい筈だ。うんん、普通なら‘’そうする筈なのに‘’







誤解を解くなら、まず覇王に…………、



(って、待てよ……でも、それは覇王が‘’話を聞く前提‘’で成り立つ事だ)


じゃあ、…………もし彼等が…………、





自分らの言い分を‘’聞かない前提‘’で二人が考えていたとしたら…………………………、





(まさか、……最初から、)








そして行き着いた答えに、嫌な汗が出た



それと同時に複数の足音が聞こえ、


彼らも、また、それらに気付いた様で、

青鬼が息を吐き、小さく呟いた。










「悪いな、振り回して


後、少しだけ茶番に付き合ってくれ」





と、不意に右腕を強い力で捕まれ、

バランスを崩した私は、青鬼の方へと倒れ。流れる様な動作でそのままソファーへと押し倒された



目を丸くする私に、緩い声で赤鬼が、

「大丈夫、無事に帰れますから」

と、囁く。
きっと面を取ったら微笑んでるな、と思うくらい穏やかな声で、

慌てて口を開き掛けた私に、青鬼が片手で口を塞いだ








ねぇ、待って

と、言葉にはならなかった変わりに……







バンッと派手な音を立ててドアが開き、音と共に………





「姫っっっっ!」


「一華ちゃんっ!」


「ばか女っ!」


「一華!」








彼等が現れた―――――――――――――――――――