次の日。

「山田」

「あ、浩太
はよ」

「はよ」

山田は俺が心を開いてる数少ない友達

山田にならあの日のことを

話してもいいと思ってんだけど

拒絶されたらとか思うとやっぱ勇気が出ない

「どーした?
深刻そうな顔して
浩太にしては珍しいんじゃねーの?」

「あ?なんでもねーよ」

こーやってすぐ俺の変化に気づく。

昼休みになるといつも通り山田の机で

購買のパンを食べる。

「浩太くん!」

あ、みのりの声。

「なに?」

「水曜日だけは私に下さいっ!」

すっごい頭下げてる。

こんな深いお辞儀見たことねぇって。

「…いいけど。」

「ほんとですか!?
ありがとうございます!」

俺がここ数日間で見てきたみのりの笑顔。

久しぶりに俺にだけ向けてくれた気がする。

でも、なんでそんなに嬉しそうにすんだよ。

仮にもみのりの彼氏は俺だろ。

って、なんで俺が意地張ってんの。

…あぁ、水曜日早く来ねーかな。