浩太くんの好きな人[浩太side]

なんて言っていいか分からなくて

でも目の前で大好きなやつが泣いてるのに

放っておけるほど鬼にはなれないし

悪役になる覚悟はなかった。

みのりの肩を抱いてしまった。

無意識に、いや…意識的にかな。

みのり。

俺みたいなやつ突き飛ばせばいいよ。

「こ、うたくん?」

なのにみのりはびっくりしただけで

俺を受け入れてくれた。

…なんで、なんでなんだよ。

最初は先輩の代わりでしかなかった。

でも先輩なんかと全然違って

俺をまっすぐ好きでいてくれて

何度みのりのことを俺は傷つけた?

どうしてお前は許してくれるんだよ…