「開けて!開けて!」


窓の外にいる男の子達が、しきりにそう言っているのが聞こえて


「ちょ…どうする…?」

と、さすがの私達も困惑した。


とりあえず窓に近付いて彼らの足元を見てみると、


彼らがいる場所は窓の外なんだけど、よく見ると平らで幅の広い屋根が続いていた。


多分、どこかの部屋から抜け出して、ここまで屋根伝いに歩いて来たのだろう。



「ちょっと開けてみる…?」


同室の子達はそう言うと、全員で顔を見合わせた後に恐る恐る窓の鍵を開けた。


すると、


「こんばんはー!どこから来たの?どこの子達?」


窓を開けるなり、男の子の一人が質問してきた。


「はぁ?…っていうか、何やってんの?」


瑞穂が最悪の対面に怒り口調で話しながら窓際に近寄ると、


「オレ達、修学旅行なんだよねー。そっちも修学旅行?」


更にそう聞いてきたこの男の子は、多分、4人の中でもリーダー格なんだろう。


さっきから随分とお喋りだった。


「そうだけど…。」


私達が軽く顔を見合わせながら答えると、


「あのさー、遊ばない?部屋に入れて?」


お願い、と両手を顔の前で合わせたリーダー格の男の子が調子に乗って言ってきた。


「は…?」


誰もが予測していなかった状況に、とうとう瑞穂がキレた。