“近付きすぎてはいけない―…”
好きにならないようにする為には、距離を置くしかないと思った。
それが、二度と相葉先生の事で傷つかない為の方法だと思っていたから。
私がそう心の中で決めた頃、教室内に生徒さん達が入ってきた。
それぞれが決められた場所に座り、友達とのお喋りに夢中になっている。
そんな様子を懐かしく思いながら、準備室と教室の間にある窓越しに彼女達を眺めた。
2時間目の授業の開始を知らせるチャイムが鳴り、私は急いでテキストを抱えた。
足早に教室に入り教壇に立った私は、目の前に座る生徒さん達に
「今日から3ヶ月間、皆さんの授業の担当をします、河原です。短い期間ですが、どうぞ宜しくお願いします。」
と、最初の挨拶をすると、この出向期間で初めての授業を開始した。
最初の授業はワープロだった。
生徒さん達は既に初心者ではなかったので、課題を渡してその作成にとりかかるといった授業内容だった。
今まで自分がやってきた授業の内容とさほど変わり無く、順調な滑り出しとなり、
初日の授業は無事に終える事が出来た。
カリキュラムの中で必要な内容は聞いていたし、何より、ある程度任せてもらえたのでやりやすくも感じた。
任せられる分、学校側が満足するような授業をしなければいけないっていう事が、ある意味プレッシャーではあるけれど。
それでも、多分、無事に終える事が出来たと思う。
次の時間も、そのまた次の時間も。
順調に授業をこなしていき、放課後になった。
職員室で今日一日の日報を書いてから帰る準備をしたけれど、帰る前にもう一度パソコン教室に行く事にした。
戸締りの確認と、もしも居残り練習をしている生徒がいたら教えてあげたいと思ったからだ。
それは特別な事をしようとしていた訳ではなくて、今まで訓練に担当した時にも行っていた事だったから、私にとっては当たり前になっていた。
掃除を終えた後のパソコン教室はまだ鍵が開いていて、中に入ると生徒は一人もいなかった。
『検定時期じゃないし、居残りはしないかな。』
そう思いながら、私はパソコン教室の鍵をかけた。
好きにならないようにする為には、距離を置くしかないと思った。
それが、二度と相葉先生の事で傷つかない為の方法だと思っていたから。
私がそう心の中で決めた頃、教室内に生徒さん達が入ってきた。
それぞれが決められた場所に座り、友達とのお喋りに夢中になっている。
そんな様子を懐かしく思いながら、準備室と教室の間にある窓越しに彼女達を眺めた。
2時間目の授業の開始を知らせるチャイムが鳴り、私は急いでテキストを抱えた。
足早に教室に入り教壇に立った私は、目の前に座る生徒さん達に
「今日から3ヶ月間、皆さんの授業の担当をします、河原です。短い期間ですが、どうぞ宜しくお願いします。」
と、最初の挨拶をすると、この出向期間で初めての授業を開始した。
最初の授業はワープロだった。
生徒さん達は既に初心者ではなかったので、課題を渡してその作成にとりかかるといった授業内容だった。
今まで自分がやってきた授業の内容とさほど変わり無く、順調な滑り出しとなり、
初日の授業は無事に終える事が出来た。
カリキュラムの中で必要な内容は聞いていたし、何より、ある程度任せてもらえたのでやりやすくも感じた。
任せられる分、学校側が満足するような授業をしなければいけないっていう事が、ある意味プレッシャーではあるけれど。
それでも、多分、無事に終える事が出来たと思う。
次の時間も、そのまた次の時間も。
順調に授業をこなしていき、放課後になった。
職員室で今日一日の日報を書いてから帰る準備をしたけれど、帰る前にもう一度パソコン教室に行く事にした。
戸締りの確認と、もしも居残り練習をしている生徒がいたら教えてあげたいと思ったからだ。
それは特別な事をしようとしていた訳ではなくて、今まで訓練に担当した時にも行っていた事だったから、私にとっては当たり前になっていた。
掃除を終えた後のパソコン教室はまだ鍵が開いていて、中に入ると生徒は一人もいなかった。
『検定時期じゃないし、居残りはしないかな。』
そう思いながら、私はパソコン教室の鍵をかけた。

