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この街に来てからの１日の過ごし方は、


朝は大和よりも少し早く起きて、朝食を作ってから彼を送り出し、


大和が不在の間は掃除、洗濯、買い物、食事作り。


そして彼が帰ってくるのを待つ…といった生活だった。


気付けば、ごく自然に私の生活の中心が大和になっていた。


３月いっぱいは有給休暇中だった事も有り、大体の事は大和に合わせてあげる事が出来る。


それじゃなくても泊めてもらっている立場だし、全く不満は無かった。


それでも、

『少しずつ仕事を探さなければ…。』

という気持ちもあって、ある日の昼間、職業安定所に行ってみる事にした。



そこで知ったのが“職業訓練”だった。


職業訓練とは、離職者や転職者が技術を身につけて再就職できるようにする為の、国が支援している訓練のこと。


雇用保険受給資格者の場合、条件にさえ該当していれば訓練修了日まで雇用保険手当が給付される。


要するに、仕事をしていなくても訓練を受けている期間中は、支給される手当てのおかげで生活面での金銭的な負担が軽くなるという事だった。


色々な科がある中でも、私がやってみたいと思ったのはパソコンの訓練。


高校時代に必死に勉強して資格を取ったけれど、時代が進むにつれて仕事上でのパソコンの利用方法は変化していた。


高校を卒業してから５年の間で、使わなかった知識は忘れ去られているのに、勉強していた当時よりも詳しい知識が求められるようになっている。


今の私には勉強のし直しが必要だと感じていた。



いくつもあるパンフレットを手に取り、一つ一つをじっくり見ている内に、ちょうど募集期間中の訓練を見つけた。


訓練期間は３ヶ月間。

Ｗｏｒｄ、Ｅｘｃｅｌ、Ａｃｃｅｓｓといった、パソコン知識の習得と資格取得が可能なコースだった。