海に降る恋 〜先生と私のキセキ〜

「…キスしてもいいかな…。」


とても恥ずかしそうに、けれど真剣な眼差しで私に問い掛けた。



瞬間、ドキンと心臓が高鳴った。


キス。


好きな人と想いが通じ合った、キス―…




「…うん…。」


私は恥ずかしくて俯いた。




沈黙が車内を包み込んで、ややしばらく経った時、


「あーっ!なんかスゲー緊張してきた!」


突然、倒していたシートからムクッと起き上がった大和君がそう言って笑った。


だけど、すぐに先程見せたような真剣な表情になると、




「絶対、大切にするから…。」


そう言って、両腕を私のシートで支えると、

すっぽりと私を包み込むように優しくキスをした。



温かな彼の体温を唇に感じ、


この優しさは永遠に続くのだと、


幸せに満たされるような、


そんな優しいキス―…





唇が離れてゆっくりと目を開けた時、


間近で見た彼の瞳は、


夜空に浮かぶ星のように優しく瞬いていた。