海に降る恋 〜先生と私のキセキ〜

隣にいる柴田君をこうして間近で見ると、大きな目が印象的な、割と目鼻立ちがハッキリしている爽やかな男の子で、

どちらかと言うと、童顔だと思う。


ゆるくパーマがかかったロン毛から受けたイメージよりも、チャラチャラしている様子がなくて、遠くから見た時よりも好感度はUPしていた。


そして、初対面の彼と沈黙にならない事を願いながらお互いの話をした。


「さくちゃんは“ナニさくちゃん”なの?」

「あ、河原さくです。宜しくお願いします。柴田君は?」

「俺は柴田大和です。宜しくお願いします。」


言い終わると、また二人でふふっと照れ笑いをした。


わざとじゃなくて、自然に笑ってしまう感じ。


なんだかとても、幸せに思った。




「じゃあ、大和君はいくつ?何してるの?」

「俺はハタチです。大学生です。」


彼、大和君は、

私が住んでいる街の大学に通っている大学生だった。



『年下なんだ…。』

そう思った時、


「さくちゃんは?」


右隣にいる大和君が、ちらりとこちらに顔を向けて訊ねてきた。



視線が合った途端、またドキンと心臓が鳴り、


一瞬だけ絡み合った視線は、すぐにほどけた。



「私は21歳。働いてるの。」

「へぇ。じゃあ俺より1コ上?」

「そうだね。」

「あ、じゃあ敬語使った方がいい?」


“しまった!”っていう表情をしている大和君に、


「ううん、そのまま敬語なしで大丈夫だよ。」


と、笑顔で“いえいえ”と手を左右に振りながら答えると、


「じゃあ、このままで。」


そう言って、嬉しそうに笑った時の彼の大きな目は、とてもキラキラと輝いていてキレイだった。