海に降る恋 〜先生と私のキセキ〜

ややしばらくして、コンビニからぞろぞろと男の子達が出てきた。


店の外で輪になって話をすると、すぐにそれぞれの車へと戻っていく。


隆二さんとカズ君も、私達が待つ車へと戻ってきた。


「お待たせ!はい、どうぞ。」


そう言って、隆二さんから手渡されたペットボトルのお茶を2本受け取ると、


「ありがとうございます。」

「いただきます。」


私達はお礼を言って、瑞穂と1本ずつそのお茶を分けた。



時間が経つにつれ対向車が少なくなった夜道を、時々携帯で話しながら車を走らせる内に海岸沿いに出ていた。


「海ー!」

「でも暗くて何にも見えないね。」


なんだかよく分からないけど楽しくて、瑞穂と一緒にはしゃいでいると、


海を見渡すようにして駐車できそうな、だだっ広い敷地に3台とも車を止めた。


車内の時計を見ると、走り出してから1時間半程経っていたらしい。


「ちょっと降りてみるか!」


隆二さんの一声で、私達は全員車を降りた。


うーん、と伸びをしながら肌に感じた冷たい空気がとても心地よく、潮の匂いがした。



私達は特に何をするわけでもなく、男の子達は集まってお互いの車を見ながら話をしていたし、他の女の子3人と私達は何となく集まって世間話をしていた。



しばらくして私達の所に駆け寄ってきた隆二さんが、


「そろそろ出ようか。さくちゃんは柴田の車に乗っていいよ!」


そう言って、柴田君の車がある方を指差した。


「えっ?」


隆二さんが指差す先を見ると柴田君と目が合い、ペコッと会釈をされた。


私も柴田君に会釈をしつつ、


「でも…。」

と、戸惑いを感じながら、それまで柴田君の車に乗っていた女の子を見た。