海に降る恋 〜先生と私のキセキ〜

瑞穂は隆二さん達から、そう遠くない場所に車を停めると、


「今のが隆二さんなの。カッコイイでしょ?」


と、とっても嬉しそうなニコニコ笑顔で私を見つめた。



「そうだね。」


本当は私の好みのタイプではなかったけれど、まぁまぁカッコイイと思ったから頷いた。


瑞穂は隆二さんがいる集団の方を見ると、


「隆二さんの左隣に立っているのがカズくんなの。」


そう教えてくれたので、かろうじて隆二さんとカズくんがどの人なのかが分かった。


その他に女の子が3人。


他の男の子は見当たらなかった。




「とりあえず降りて行ってみよっか。」

「そうだね。」


私達が車から降りて、隆二さんが待つ集団の方に近寄って行くと、


「早くおいでー。」


手招きをする隆二さんと、興味津々な様子でこちらを見つめるカズくん。


そして、


『一体誰なの?』


と、言わんばかりに私達を見つめる3人の女の子達は、雰囲気的に10代に見えた。



「瑞穂ちゃんこんばんは!」


元気に声を掛けてきたカズくんが、瑞穂に向かって「そちらは?」と隣にいる私の名前を聞いてきた。


「こんばんは。こちらはお友達のさくちゃんです。」


瑞穂に紹介されて、


「こんばんは、さくです。」


軽く会釈をしながら挨拶をし、その輪の中に入った。



すると、申し訳無さそうな顔をした隆二さんが、


「今日、カズの車の調子が悪くて車が3台しかないから、俺とカズが一緒に乗るかって話してたんだ。」


隆二さんの言葉に合わせるように、カズくんは申し訳無さそうな表情で両手を合わせて“ゴメン”と瑞穂に謝ると、

瑞穂は微笑みながら「ううん。」と首を横に振った。