海に降る恋 〜先生と私のｷｾｷ〜

「昨日の夜、隆二さんから電話が来てね。今日は隆二さんとカズくんの他に２人来るんだって。で、女の子が私とさくでしょ？あと他に２人、誰か分からないけど来るんだって。」


「なんかすごいね。合コンみたい。」


瑞穂が指を折りながら教えてくれた、予想以上の参加人数の多さに私は驚いていた。


「まぁね。で、どっか行こうって言ってた。」

「ふぅん。」


私は『まぁ、行ってみたら分かるかな。』っていう、気楽な気持ちでいた。



「お化粧直して、そろそろ行こう？」


時計を見ていた瑞穂に促されてササッと化粧直しを済ませると、


私達は瑞穂の車に乗って待ち合わせ場所へと向かった。



車を走らせること数分後、


待ち合わせ場所になっていた、ある施設の駐車場に到着しすると、瑞穂は“隆二さん”を探した。


「どこだろう…。」


沢山の車が並ぶ駐車場内を見渡すと、数台の車が集まる一角に何人かの人が集まっているのが目に入った。


「いた！」


私と同じ一角を見つけた瑞穂は、車に乗ったままその集団に近付いていく。


「隆二さーん！」


車のウィンドウを開け、その集団に向かって瑞穂が呼びかけると、

パッとこちらを見た“隆二さん”らしき人が駆け足で近付いてきた。


「瑞穂ちゃん！来てくれたの！」


そう言って嬉しそうな笑顔を見せた隆二さんは、瑞穂の言う通り坊主頭だけど、

想像していた怖い感じとは違って、とても優しそうな人だった。


隆二さんは助手席にいた私の方に目を向けて、


「あ、どうもー。こんばんは。」


そう言って軽く会釈をすると、すぐに瑞穂に向かって、


「その辺に車停めなよ。とりあえず降りて、こっちに来て。」


と、駐車場の空いている場所を指さして、瑞穂に駐車する場所を示した。


「分かった。」


瑞穂がそう言って頷いたのを確認すると、隆二さんは集団の方へと戻っていった。