海に降る恋 〜先生と私のキセキ〜

車を走らせて数分後、ファミレスに到着すると、やはり先に到着していた青山先生と合流し、


「先生、お待たせしてごめんなさい!」


合流するなり青山先生に謝ってから、3人で店内に入っていった。



「免許取り立てなんだし、ゆっくり来てくれなきゃ却って心配だよ。」


そう言って、私達が遅れた事を許してくれた青山先生を優しい人だと感じ、


同時に、


『きっと、相葉先生もこんな風に許してくれるんだろうな。』


とも思っていた。



店員さんに案内された席に座り、私の隣には瑞穂。


テーブルを挟んで私達の向かいには、青山先生が座った。



メニューを見て、


「私はチーズハンバーグ。」

「私も。」


すぐさま私と瑞穂は大好きなチーズハンバーグを指さした。


「何か飲み物は?」

そう、青山先生に聞かれて


「私はウーロン茶。」

「私はアイスアップルティーにしようかな。先生は?」


そう言って、私は青山先生の方をちらりと見た。


青山先生は「うーん…。」とメニューに視線を落とした後、


「おろしハンバーグにアイスコーヒーにするかな。二人はもういいかい?」


と、私達に一言聞いてから店員さんを呼んでくれた。



「ふーん。」


オーダーを取り終えた店員さんが去った後、


瑞穂はテーブルにひじをつき、あごに手をあててニコニコしながら青山先生を見た。



「なんだよ?」

青山先生は、そんな瑞穂を見て困ったように笑った。


「いや…先生、優しいなーって思って。」

「はぁ?」


青山先生は“何が?”と言わんばかりだ。


「…何て言うか、さりげなく大人な感じ?」


青山先生は決して特別な事をした訳ではなかったのだけど、何となく、そう感じたのは私も同じだった。


「そうか?よく分からんけど…。」


瑞穂の言葉に、青山先生は少しだけ嬉しそうに笑っている。



私はそんな二人を見ながら、


『相葉先生だったらどんな感じなんだろう』


という事ばかり考えていた。