海に降る恋 〜先生と私のキセキ〜

青山先生と3人で食事をする事になった私達は、よく行くファミレスに行く事にした。


青山先生が車で通勤しているので、私達は2台に分かれて行く事にし、


じゃあ、と青山先生に手を振って、私と瑞穂は車に乗り込んだ。



自分の車に向かって歩いていく青山先生の背中を見送り、私は車に乗り込んだ途端、


「ちょっと瑞穂!どうしたの急に!?」

と、すぐに瑞穂に問い掛けた。


瑞穂は慌てふためく私を見ながらクスクス笑い、


「だって、青山先生がどういう人か知りたいじゃん。」

と、当たり前の事をしたかのようにケロッとした様子。



「そうだけど…びっくりしたよー!」


私は驚きすぎたせいか、笑いが込み上げた。

思えば、男の人と外で食事をするのはこの時が初めてだった。



「瑞穂が一緒で良かった…。」


それは私の本心だった。



合格の報告をして、そのままあっさりお別れしていたら。


きっと、もう自動車学校に行く理由がなくなって、青山先生ともこれっきりになっただろう。


いくら好きになろうとしても、それじゃ好きになれっこない。



それに、もし運良く一緒に食事に行く機会が出来たとしても、いきなり青山先生と二人では、何を話していいか分からない。


きっかけを作り、こうして一緒に行ってくれる瑞穂の存在は、私にとってとても心強かった。


「そうでしょー?言って良かったでしょー?」

瑞穂がちょっぴり誇らしげに見えた。


「ありがとうございます。」

私は笑いながら瑞穂に向かってペコッと頭を下げた。


「お腹空いたし行こ!もしかしたら青山先生、もう先に行っちゃったんじゃない!?」

「それは大変!行こう!」


青山先生が自分の車を停めている場所の辺りをを何度も確認しながら、私達もファミレスへと向かった。