海に降る恋 〜先生と私のキセキ〜

「これが河原さんの車かぁ。」

「そうですよー。」


ややしばらく青山先生と車を眺めながら話をしていると、


「先生!」

少し遅れて瑞穂が駆け寄ってきた。


「先生、合格できました。ありがとうございました。」

瑞穂も何度か青山先生のお世話になっていたので、丁寧にお礼を言った。


「いいんだよ、そんなの。それより二人とも気をつけて乗るんだよ。」

そんな青山先生の言葉に、


「私はペーパードライバーになっちゃいそうだけど。」

と、瑞穂が笑いながら答えた。


「これから二人で遊びに行くのかい?」

青山先生に聞かれて、


「とりあえず、ご飯を食べに行こうと思ってます。」


ねっ、と私達は顔を見合わせた。



すると突然瑞穂が、


「青山先生も一緒に行きませんか?」


と、急に青山先生を誘い出した。



『えっ!?』


私は危うく声に出しそうになる程驚いたのだけど、


誘われた青山先生自身が、


「えっ!」


と、本当に声に出して驚いていたので、


もしかしたら、私以上にビックリしたのかもしれない。



「うーん…。」

青山先生はしばらく考えると、



「じゃあ…せっかくだから行こうか。」


意外にも、あっさりと瑞穂のお誘いを受けてくれた。